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微生物学:特徴的な遺伝子クラスターが細菌の細胞小器官フェロソームの形成を促進する

Nature 606, 7912 doi: 10.1038/s41586-022-04741-x

細胞内の鉄の恒常性は極めて重要であり、これは鉄の取り込み、排出、貯蔵、解毒の厳密な調節によって維持されている。最も一般的な鉄の貯蔵様式は、フェリチンや関連タンパク質などのタンパク質性の区画を利用する方法である。脂質で囲まれた鉄区画も報告されているが、それらの形成や機能の基礎は明らかになっていない。今回我々は、以前に嫌気性細菌のDesulfovibrio magneticusで見つかっていた脂質に囲まれた鉄区画の1つ(ここでは「フェロソーム(ferrosome)」とする)に注目した。我々はプロテオミクス的手法を用いて、D. magneticusでのフェロソーム形成に役割を担う3種類のフェロソーム関連(Fez)タンパク質を特定した。Fezタンパク質群は1つの推定オペロンにコードされており、系統学的にも代謝的にも多様な細菌とアーキアの種で見つかるP1B-6-ATPアーゼであるFezBを含んでいる。我々はまた、他の2種類の細菌種Rhodopseudomonas palustrisShewanella putrefaciensで、6つの遺伝子からなるfezオペロンの働きによってフェロソームが作られることを示す。さらに、fezオペロンは、異種宿主でのフェロソーム形成に十分であることも分かった。最後に我々は、S. putrefaciensをモデルとして用いて、フェロソームは鉄欠乏に対する嫌気性適応に役割を持つ可能性が高いことを示す。これらの結果によって、フェロソームが新しい種類の鉄貯蔵細胞小器官であることが明確になり、その形成や構造をさまざまな微生物で研究するための基盤が得られた。

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