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原子核物理学:エンタングルした二重ストレンジバリオンで探るCP対称性と弱位相
Nature 606, 7912 doi: 10.1038/s41586-022-04624-1
素粒子物理学の標準模型は非常に大きな成功を収めているが、我々の宇宙に反物質より物質がはるかに多く存在する理由については、いかなる説明も与えていない。動的に生成される物質–反物質非対称性のカギは、荷電共役対称性とパリティ対称性の組み合わせ(CP対称性)を破る過程が存在することにある。そのため、CP対称性の精密検証を用いて、標準模型を超える物理を探ることができる可能性がある。しかし、ハドロンは、強い過程と弱い過程の相互作用を通して崩壊し、それらの振幅間の相対位相で定量化される。これまでの実験では、強位相と弱位相の両方に依存するCPオブザーバブルが構築されていたが、今回我々は、エンタングルした多重ストレンジバリオン–反バリオン対の連続した二体崩壊によって、こうした位相の分離を行う手法を提示する。我々の方法では、二重ストレンジバリオンΞ−とその反粒子Ξ+の間のスピンエンタングルメントを利用しており、これによって弱位相の差(ξP−ξS) = (1.2 ± 3.4 ± 0.8) × 10−2 radの直接決定が可能になった。また、測定されたパラメーターからは、3つの独立したCPオブザーバブルを構築できる。所与のデータサンプルサイズについて見積もられたパラメーターの精度は、これまでの方法で実現された精度より数桁高かった。さらに我々は、最近議論されているΛ崩壊パラメーターαΛの独立した測定結果を提示する。得られたΛΛ非対称性は、これまでで最も精密な測定結果と一致し、またその精度も同程度であった。

