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原子物理学:多原子分子の磁気光学トラッピングとサブドップラー冷却

Nature 606, 7912 doi: 10.1038/s41586-022-04620-5

レーザー冷却とレーザートラッピング、特に磁気光学トラッピング法によって、ボース・アインシュタイン凝縮、中性原子による量子計算、高精度光時計などの、科学における画期的な進歩が可能になった。最近、二原子分子の磁気光学トラップ(MOT)が実証され、量子シミュレーションの研究や標準模型を超える物理の探索に利用できるようになった。多原子分子には、二原子分子と比較して大きく異なる回転自由度や振動自由度があり、これらの自由度から、変革をもたらすさまざまな可能性が期待されている。例えば、極低温の多原子分子は、量子計算や量子シミュレーション、極低温衝突、量子化学、標準模型を超える物理の探索への応用に際立って適していると思われる。しかし、多原子分子は複雑であるため、そうした分子のMOTは今のところ実現されていない。今回我々は、多原子分子である一水酸化カルシウム(CaOH)の磁気光学トラッピングを実証する。この分子は、トラッピング後に、青色離調光モラセス中でドップラー冷却限界以下の110 μKまでレーザー冷却される。今回達成された温度と密度によって、CaOHは、光ピンセットアレイを用いた量子シミュレーションや量子計算などの、さまざまな量子科学応用の有望な候補となった。今回の成果はまた、他の多くの多原子分子種のレーザー冷却と磁気光学トラッピングが実現可能で実際に役立つことも示唆している。

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