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材料科学:脳計測と腸計測用の組織様神経伝達物質センサー
Nature 606, 7912 doi: 10.1038/s41586-022-04615-2
神経伝達物質は、中枢神経系と、消化管を含む末梢の神経系の両方の神経回路の動態を調節するのに極めて重要な役割を果たしている。神経伝達物質の実時間モニタリングによって、神経機能の理解や疾患の診断のための重要な情報が得られると思われる。しかし、in vivoで、特に腸神経系において神経伝達物質の動態をモニタリングする生体電子工学的ツールは、開発が遅れている。その主な理由は、活発に動く柔軟で複雑な器官を調べることのできるバイオセンシングツールが入手困難なことにある。今回我々は、NeuroStringと名付けた、組織模倣型の伸縮性神経化学的生体インターフェースを提示する。NeuroStringは、金属錯体化ポリイミドをレーザーパターニングして、エラストマーに埋め込まれた相互接続グラフェン/ナノ粒子ネットワークを形成することによって作製された。NeuroStringセンサーによって、行動中のマウスの脳で長期にわたるin vivo実時間多チャネル多重モノアミンセンシングが可能になるとともに、望ましくない刺激を与えたり蠕動運動を乱したりすることなく腸におけるセロトニン動態の測定が可能になる。今回報告した弾性と適合性を有するバイオセンシングインターフェースは、神経伝達物質が腸内微生物や脳と腸のコミュニケーションに及ぼす影響の研究において幅広い可能性があるとともに、最終的には体中の他の柔軟な器官の生体分子センシングに拡張できる可能性がある。

