Article

進化学:Hmx遺伝子の保存から明らかになった、脊椎動物の頭部神経節の起源

Nature 605, 7911 doi: 10.1038/s41586-022-04742-w

脊椎動物の進化的起源には、捕食性の生活様式の獲得に関連した、感覚処理におけるいくつもの新機軸が含まれる。脊椎動物は、頭部感覚神経節が機能を担う感覚系を介して外部刺激を感知しており、この神経節のニューロンは主に頭部プラコードから発生する。しかし、プラコードと頭部感覚神経節の進化的起源に関する理解は、現生の系統間での解剖学的な差異と、異なる細胞タイプや構造において相同性を特定することの難しさに阻まれ、進んでいない。今回我々は、ホメオボックス転写因子Hmxが、脊椎動物の感覚神経節発生の構成要素であること、そして、被嚢類のカタユウレイボヤ(Ciona intestinalis)では、Hmxが、これまで脊椎動物の神経堤と相同と考えられていた尾部の双極性ニューロンの分化プログラムを駆動するのに必要かつ十分であることを示す。我々はまた、カタユウレイボヤとヤツメウナギの遺伝子導入を用いて、ステム群脊椎動物系統では、縦列重複した独特なエンハンサーの対が、Hmx発現を調節していることを実証する。さらに、カタユウレイボヤにおいて、非常にロバストな脊椎動物のHmxエンハンサー機能が示され、これにより、上流の調節ネットワークが、脊椎動物の進化的起源から長期にわたって保存されてきたことが実証された。今回の実験結果は、カタユウレイボヤと脊椎動物の間でのHmxの調節的・機能的な保存を明らかにするとともに、カタユウレイボヤの尾部双極性ニューロンが脊椎動物の頭部神経節と相同であることを示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度