神経科学:感覚皮質での符号化と領野間コミュニケーションから生じる確実性
Nature 605, 7911 doi: 10.1038/s41586-022-04724-y
確実な感覚の弁別は、忠実度の高い神経表現と脳領野間でのコミュニケーションから生じるはずである。しかし、新皮質の感覚処理が、ニューロンの感覚応答の大きなばらつきをどのように克服しているのかについては、まだ分かっていない。今回我々は、視覚弁別課題を実行中のマウスで、8つの新皮質領野におけるニューロン活動を5日間にわたって同時に画像化し、2万1000個以上のニューロンの縦断的記録を作成した。解析の結果、安静状態に始まり、知覚の初期段階、そして課題応答の形成に至る、新皮質全体での一連の事象が明らかになった。安静時、新皮質には機能的接続の1つのパターンがあり、これは、共通した活動の共振動を示す領野の組み合わせを通じて識別される。そうした接続は、感覚刺激の開始後の約200ミリ秒以内に再編され、異なる脳領域が共振動と課題関連情報を共有するようになる。この短時間の状態(継続時間は約300ミリ秒間)において、領野間の感覚データ伝達と感覚符号化の冗長性は共にピークに達した。これは、課題関連ニューロンの間での相関する振動の一過的な上昇を反映している。刺激開始後の約0.5秒までに、視覚表現はより安定な形に達し、その構造は、個々の細胞応答における日単位での著しい変動に対してロバストだった。刺激提示の開始から約1秒後、広範囲の振動モードによって、マウスの次の応答は調べた全領野に伝達されており、これは感覚データを伝えるモードに対して直交していた。まとめると、新皮質は、知覚の開始直後における感覚符号化の冗長性の短時間の上昇、細胞レベルのばらつきに対してロバストな神経集団符号、非干渉チャネルで感覚データと課題応答を伝達する広範な領野間の振動モードを介して、感覚性能を支えている。

