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生化学:DNAプライマー合成開始の分子基盤
Nature 605, 7911 doi: 10.1038/s41586-022-04695-0
DNA複製の開始の際には、オリゴヌクレオチドであるプライマーがプライマーゼによりde novoに合成され、続いて複製ポリメラーゼにより伸長されてゲノム複製が完了する。プライマーゼ-ポリメラーゼ(Prim-Pol)スーパーファミリーは、多様なプライマーゼのグループであり、複製プライマーゼや適応免疫に関与するCRISPR関連プライマーゼ-ポリメラーゼ(CAPP)が含まれる。これらの酵素の活性についてはよく知られているが、プライマーゼがプライマー合成を開始するために用いている機構の詳細はまだ解明されていなかった。今回我々は、CAPPによるプライマー合成開始の分子基盤を明らかにし、この機構が複製プライマーゼでも保存されていることを示す。プライマー開始複合体の結晶構造から、進入してくるヌクレオチドが、最初のホスホジエステル結合の合成前に、活性部位内で金属補因子の近くに位置して、鋳型となるDNA一本鎖と対を作る様子が明らかになった。さらに、二本鎖DNAに結合したPrim-Pol複合体の構造から、次いで酵素がプロセッシブポリメラーゼのように働いてプライマーを伸長する仕組みが示された。今回の構造学的および機構的な研究結果から、Prim-Polタンパク質がプライマー合成を引き起こす機構が確認され、触媒ドメイン内でのプライマー合成に必要な決定因子となる分子が明らかになった。また、この研究によって複製プライマーゼなどのPrim-Pol酵素の触媒ドメインだけでプライマー形成を触媒するのに十分であることが立証された。

