免疫学:A群連鎖球菌はケラチノサイトでGSDMA依存的ピロトーシスを誘導する
Nature 605, 7910 doi: 10.1038/s41586-022-04717-x
ガスダーミン(GSDM)はポア形成エフェクターのファミリーであり、細胞死プログラムであるピロトーシスの際に細胞膜を透過性にする。GSDMは、通常カスパーゼ調節因子によって、自己抑制性のカルボキシ末端ドメインがタンパク質分解を介して除去されることにより活性化される。しかし、GSDMのファミリーの1つであるGSDMAに対する活性化因子は分かっていない。今回我々は、主要なヒト病原体であるA群連鎖球菌(group A Streptococcus;GAS)が、プロテアーゼである毒力因子SpeBを分泌し、これがGSDMA依存的ピロトーシスを誘導することを示す。SpeBがGSDMAを切断すると、活性を持つアミノ末端断片が放出され、これが細胞膜に入り込むと溶解性のポアが形成される。GSDMAは主に皮膚で発現しており、SpeBを発現するGASに感染したケラチノサイトは、GSDMA依存的ピロトーシスにより細胞死を起こす。マウスにはヒトGSDMAのホモログが3つあり、そのトリプルノックアウトマウスは、GASのM1T1クローン[毒力が高くパンデミック(世界的大流行)を起こしている]による侵襲性感染に対する感受性が高い。これらの結果は、GSDMAがGASによる侵襲性の皮膚感染症に対する免疫防御に重要であることを示している。さらに、GSDMは外因性プロテアーゼの直接のセンサーとして宿主の調節因子とは独立に作用できることも分かった。SpeBは組織浸潤と皮膚細胞内の生存に不可欠であるため、これらの結果は、GSDMAが、深刻な感染脅威となる微生物の懸念される毒力活性を直接検出する保護タンパク質と同様の働きをし得ることを示唆している。

