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免疫学:黒色腫におけるヘルパーおよび制御性抗腫瘍CD4+ T細胞の全体像

Nature 605, 7910 doi: 10.1038/s41586-022-04682-5

腫瘍微小環境内では、CD4+ T細胞は、ヒト白血球抗原(HLA)クラスII分子によって提示された抗原の認識を介して、抗腫瘍応答を促進あるいは抑制することができるが、がんがこれらの生理学的過程をうまく利用して免疫回避を達成する仕組みは、まだ完全には分かっていない。今回我々は、ヒト黒色腫試料において、腫瘍に浸潤しているCD4+ T細胞の表現型や腫瘍特異性について詳細な解析を行い、疲弊した細胞傷害性CD4+ T細胞は、HLAクラスIIに拘束されたネオアンチゲンや、さらにHLAクラスIに拘束された腫瘍関連抗原の認識を介して、黒色腫細胞によって直接誘導され得ることを明らかにした。CD4+制御性T(TReg)細胞は、抗原提示細胞による腫瘍抗原の提示を介して間接的に生じさせることができた。さらに、多数の腫瘍反応性CD4+ TRegクローンは、HLAクラスII陽性黒色腫によって直接的に刺激され、黒色腫ネオアンチゲンに対する特異性を示した。この現象は腫瘍ネオアンチゲン負荷が極めて高い場合に観察され、これは116の黒色腫試料の解析によってHLAクラスII陽性と関連することが確認された。我々のデータは、黒色腫に浸潤しているCD4+ T細胞の全体像を明らかにし、HLAクラスIIに拘束されたネオアンチゲンの提示と免疫抑制性CD4+ TReg細胞の直接的な関与が、HLAクラスII陽性黒色腫において有利に働く免疫回避機構であることを示している。

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