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計算生物学:タンパク質に結合するタンパク質を標的タンパク質の構造だけに基づいて設計する

Nature 605, 7910 doi: 10.1038/s41586-022-04654-9

標的タンパク質の表面にある特定の部位に結合するタンパク質を、標的の三次元構造に関する情報以外の情報は用いずに設計するのはいまだ難しい。今回我々は、この問題に対する一般的な解決法について報告する。この方法では、タンパク質表面の領域の1つを選んで、そこに結合できる膨大な数の結合様式を広く探索することから始めて、次に、最も有望な結合様式の近傍へ探索を集中させる。この方法が幅広く応用可能であることは、形も表面の性質もさまざまな12種類のタンパク質を標的として、それらに結合するタンパク質をde novo設計することによって実証された。これらの結合タンパク質はどれもアミノ酸の数が65以下と小さく、生物物理学的特性を調べたところ、極めて安定であることが分かり、実験による最適化を行った後は、標的タンパク質にナノモルからピコモルレベルの親和性で結合した。結合タンパク質と標的との複合体のうち5つについて結晶構造を解くことに成功し、5つ全てが対応するコンピューター設計モデルとよく一致した。ほぼ50万種類に上るコンピューター設計モデルと数十万の点変異体についての実験データから、この手法とタンパク質間の相互作用に関する現在の知識に関して、その能力と限界についての詳しいフィードバックが得られ、これはこの両方についての今後の改良に役立つだろう。今回の方法は、治療や診断へ応用するために、さまざまなタンパク質の目的部位に結合するタンパク質を標的として設計することを可能にするものだ。

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