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発生生物学:ゼブラフィッシュ胚の左右対称性には体節の表面張力が必要である
Nature 605, 7910 doi: 10.1038/s41586-022-04646-9
脊椎動物胚の体軸は、周期的に分割されて左右対称な体節対になる。体節の前後長、それらの位置および左右対称性は、体節の形態形成よりも前に、分子的に決定されると考えられている。今回我々は、ゼブラフィッシュ胚で、初期の体節の前後長と位置は不正確であり、その結果として、多くの体節対は左右非対称に形成されることを示す。注目すべきは、これらの不正確性がそのまま放置されず、体軸形成後1時間以内に前後長が調整されて、それによって形態学的対称性が高まるのが明らかになったことである。前後長の調整は、体節の体積の変化なしに体節の形の変化のみによって行われ、前後長の変化は、対応する中外長の変化によって補償されることが分かった。この前後調節機構は体節の表面張力によって促進されており、我々はそれを、力学的モデルを用いてin vivoの実験とin vitroでの単一体節の外植片培養を比較することで示した。長さの調節は、インテグリンやフィブロネクチンなどの表面張力に関与する分子を摂動することで阻害された。対照的に、この調節機構は分節時計の摂動には影響されないことから、別の過程が形態的な分節長に影響を与えていることが明らかになった。我々は、組織の表面張力が、発生中の胚において形態を調整し、組織の正確性と対称性を保証する一般的な機構であると提唱する。

