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エネルギー科学:高効率熱化学合成のためのプログラム可能な加熱と急冷
Nature 605, 7910 doi: 10.1038/s41586-022-04568-6
平衡に近い条件下での連続加熱による従来の熱化学合成は、反応温度、反応時間、ひいては反応経路の時間的制御が不十分であるため、合成速度、選択性、触媒安定性、エネルギー効率を向上させる上で重大な課題に直面している。我々は、これに代わる方法として、プログラム可能な電流を用いてパルス状の加熱と急冷を行うことで(例えば、オン状態を0.02秒間、オフ状態を1.08秒間保持)、高温(例えば、最高2400 K)と低温の間で反応を急速に切り替える非平衡連続合成法を提示する。速やかな急冷によって、高い選択性と優れた触媒安定性が確保されるとともに、平均温度が低下してエネルギーコストが削減される。モデル反応としてCH4熱分解を用いたところ、我々のプログラム可能な加熱急冷法によって、付加価値C2生成物に対する選択性が向上した(従来の非触媒的方法での35%未満、最適化された触媒を用いた大半の従来型方法での60%未満に対し、今回の方法では75%を超過)。今回の手法は、NH3合成などのさまざまな熱化学反応に拡張可能であり、NH3合成については、最適化されていない触媒を用いて、周囲圧力で100時間以上にわたって約6000 μmol gFe−1 h−1という安定して高い合成速度が達成された。今回の研究結果によって、高効率非平衡熱化学合成への新しいモデルが確立された。

