Article

ナノフォトニクス:実電荷キャリアと仮想電荷キャリアの光場制御

Nature 605, 7909 doi: 10.1038/s41586-022-04565-9

光に駆動される電子の励起は、エネルギー伝達や情報転送の基礎である。高強度で超高速の光場と固体の相互作用では、電子は不可逆的に励起されることもあれば、照射の間だけ過渡的に励起されることもある。過渡的な電子集団は、光パルスが消えた後は観測できないために「仮想」と呼ばれる一方、励起された状態を維持している集団は「実」と呼ばれる。最近、仮想電荷キャリアが高次高調波発生や過渡吸収と関連付けられたが、光電流の生成も、実電荷キャリアだけでなく、仮想電荷キャリアに由来する可能性がある。しかし、そうしたキャリア型の生成と、それらと技術的関連性のオブザーバブルに対する重要性のつながりは見つかっていない。今回我々は、金–グラフェン–金ヘテロ構造で数サイクルのレーザーパルスを用い、光電流生成において実電荷キャリアと仮想電荷キャリアを励起・分離できることを示す。光励起に用いる波形に依存して、実キャリアが、正味の運動量を受け取って金電極へ伝播するのに対し、仮想キャリアは、金–グラフェン界面で読み出される偏光応答を生成する。さらに我々は、これらの知見に基づいて、将来の光波エレクトロニクス用の論理ゲートの概念実証を行った。我々の結果によって、実電荷キャリアと仮想電荷キャリアを測定・励起する直接的な手段が得られた。それぞれの型のキャリアを個別に制御することで、集積回路の設計空間が大幅に拡大され、ペタヘルツ信号処理が現実にさらに近づくと思われる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度