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神経科学:ヒトの一生にわたる脳の成長曲線

Nature 604, 7906 doi: 10.1038/s41586-022-04554-y

この数十年の間に、脳画像化法はヒト脳の基礎研究や臨床研究で広く利用されるツールになった。しかし、身長や体重などの人体計測学的特徴を用いる成長曲線とは異なり、脳画像計測では継続的に個人差を定量するための参照規準はこれまでなかった。今回我々は、現在あるいは将来の試料のMRIデータから得た脳形態を基準に照らして評価するためのインタラクティブなオープンリソースを構築した(http://www.brainchart.io/)。我々は、現在利用可能な最も大規模で最も包括的なデータセットに基づいてこうした参照成長曲線を作ることを目標とし、世界の人々の多様性と比較してMRI研究に既知の偏りがあることによる限界は認めた上で、100件以上の一次研究での妊娠115日齢から100歳までの10万1457人について、12万3984例のMRI走査データを集めた。MRIの計測値は、脳の構造的変化の非線形軌跡に対するパーセンタイルスコアと、生涯にわたる変化率で定量した。脳の成長曲線から、これまで報告されていなかった神経発達の重大時点が見つかり、長期的評価の期間全体で個人の値が安定していることが示され、異なる一次研究間の技術的・方法的差異に対するロバスト性が実証された。パーセンタイルスコアからは、非パーセンタイルMRI表現型と比べて遺伝性が強く示され、非典型的脳構造の標準化された計測値が得られたことで、複数の神経学的・精神医学的障害にまたがる脳解剖学的変動パターンが明らかになった。以上より、脳の成長曲線は、一般に使用されている複数の脳画像化形質について標準的な軌跡を規準とした個人差のロバストな定量に向けた重要なステップとなる。

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