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物性物理学:モアレ超格子における光誘起強磁性

Nature 604, 7906 doi: 10.1038/s41586-022-04472-z

キャリア間の多体相互作用は、相関物理学の中核にある。そうした相互作用を調整できれば、複雑な電子相図の利用や制御が可能になると思われる。最近、そうした現象を量子操作する有望なプラットフォームとして、二次元モアレ超格子が浮上している。モアレ系の強みは、層のねじれ角、電場、モアレキャリア充填、層間結合を調節することによって、その物理パラメーターを高度に調整できることにある。今回我々は、光励起によって、モアレポテンシャルに捕捉されたキャリア間のスピン–スピン相互作用を高度に調整でき、結果としてWS2/WSe2モアレ超格子において強磁性秩序が生じることを報告する。充填率−1/3(すなわちモアレ単位格子3つ当たり正孔1個)近傍で、励起子共鳴における励起パワーが増大するにつれ、磁場の関数としての反射磁気円二色性信号に、強磁性の特徴であるよく発達したヒステリシスループが出現する。このヒステリシスループは電荷中性まで持続し、その形状はモアレ超格子が徐々に満たされるにつれて変化する。これは、磁気的基底状態の特性が変化することを示している。観測された現象から、光励起された遍歴励起子が、モアレポテンシャルに捕捉された正孔間の交換結合を媒介するという機構が提示される。この励起子媒介相互作用は、モアレポテンシャルに捕捉された正孔間の直接結合よりも長距離に及ぶ可能性があるため、希薄正孔領域であっても磁気秩序が生じる可能性がある。今回の発見によって、モアレ量子物質の豊かな多体ハミルトニアンに、動的調整手段が加わった。

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