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構造生物学:脂質膜中にあるPIEZO1による構造の変形と湾曲のセンシング

Nature 604, 7905 doi: 10.1038/s41586-022-04574-8

PIEZOチャネルは、ピコニュートン規模の力に反応して、重要な生理学的および病態生理学的な過程を仲介する。界面活性剤に可溶化したPIEZOチャネルは、お椀形の三量体を形成する。この三量体を構成するのは、中央にあるイオンを通過させるポアとその細胞外キャップ、そしてその周りにある湾曲した非平面的な3枚の羽根(ブレード)とそれを細胞内側から支える3本の梁で、これらは力によって脂質膜内で変形するらしい。しかし、脂質膜内でのPIEZOチャネルのゲート開閉の動態がどのような構造と機構によって引き起こされるのかは、いまだに解明されていない。今回我々は、リポソーム小胞内で再構築したPIEZO1の湾曲した構造と平らにした構造を決定し、PIEZO1–脂質二重層系のかなり大きな変形能を直接的に視覚化し、平面化した構造では平面内領域が300 nm2程度広がることを明らかにした。PIEZO1の湾曲した構造は、界面活性剤ミセルから決定された構造によく似ているが、多数のリン脂質が結合している。これに対して平面化した構造では膜の張力によって羽根が平たくなり、梁が曲がり、キャップが外れて回転しており、これらが合わさってイオン透過経路のゲート開閉につながる可能性がある。拡大した平面内膜領域の測定値とPIEZO1のスティフネス定数に基づいて、活性化の最大半量張力を計算すると約1.9 pN nm−1となり、これは実験での測定値とよく一致する。従って今回、PIEZO1の優れた変形能と構造の再編成が、鋭敏な機械感受性と脂質膜の湾曲に基づく独特なゲート開閉機構を成り立たせている仕組みの基本的な解明を行うことができた。

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