Analysis

計算生物学:臨床ゲノミクスおよび研究のためのNCBIとEMBL-EBIによる統合転写産物セット

Nature 604, 7905 doi: 10.1038/s41586-022-04558-8

ゲノムの網羅的な注釈付けは、臨床に関連するバリアントの影響を理解するために不可欠である。しかし、臨床報告やブラウザー表示に基準は存在せず、一貫性のある解釈や報告のプロセスが複雑化している。これらの課題に取り組むため、欧州バイオインフォマティクス研究所(EMBL-EBI)のEnsembl/GENCODEと、米国立生物工学情報センター(NCBI)のRefSeqは、ヒトの遺伝子と転写産物のアノテーションに集中して転写産物とそれらに対応するタンパク質の価値の高いセットを共同で定義するために、共同イニシアチブ「MANE(Matched Annotation from NCBI and EMBL-EBI)コラボレーション」を立ち上げた。今回我々は、バリアントの報告とブラウザー表示の普遍的な基準として用いるためのMANE転写産物セットについて報告する。MANE Selectセットは、ヒトの各タンパク質コード遺伝子について代表的な1つの転写産物を特定する一方、MANE Plus Clinicalセットは、Selectの転写産物のみでは現在知られている全ての臨床バリアントを報告するには不十分である座位について、追加の転写産物を提供する。各MANE転写産物は、Ensembl/GENCODE転写産物のエキソン塩基配列とそのRefSeqでの対応配列が完全に一致したものであることを意味し、識別子は同義的に用いることができる。我々は現在すでに、ヒトタンパク質コード遺伝子の97%についてMANE Select転写産物を公開しており、これには米国臨床遺伝・ゲノム学会(ACMG)の二次的所見リストv3.0に掲載されている全ての遺伝子が含まれる。MANE転写産物は、主要なゲノムブラウザーや情報資源から利用可能である。これらの転写産物セットが広く採用されることで、臨床報告の一貫性が向上し、アノテーションの供給源に関係なくデータの交換が促進され、臨床的解釈の効率化に役立つようになると考えられる。

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