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免疫学:肥満症は炎症性疾患の病理と治療応答を変化させる

Nature 604, 7905 doi: 10.1038/s41586-022-04536-0

数十年にわたる研究により、T細胞の分化を制御するサイトカインシグナル伝達経路と転写経路が解明され、広範な自己免疫疾患、アレルギー性疾患、炎症性疾患で効果を発揮する生物学的標的療法への道が開かれた。最近得られた証拠では、肥満症や代謝性疾患も免疫系に影響を及ぼす可能性が示されているが、それらの機構や免疫療法の転帰に対する影響についてはほとんど分かっていない。今回我々は、アトピー性皮膚炎の2つのモデルを用い、痩せマウスと肥満マウスでは著しく異なる免疫応答が見られることを示す。肥満症は、アトピー性皮膚炎と関連付けられている古典的な2型ヘルパーT細胞(TH2)が優勢な疾患を、顕著なTH17炎症を伴うより重篤な疾患へと転換させた。また、TH2サイトカインを標的とする生物学的療法に対する応答にも差異が見られ、これらの療法は痩せマウスをロバストに保護したが、肥満マウスでは疾患を悪化させた。単一細胞RNA塩基配列解読とゲノム規模の結合解析を組み合わせたところ、肥満マウスのTH2細胞における核内受容体PPARγ(peroxisome proliferator-activated receptor-γ)の活性は、痩せマウスのものと比べて低下していることが明らかになった。また、T細胞でのPPARγの条件的除去からは、PPARγがin vivoでのTH応答をTH2優勢状態に集中させ、異常な非TH2性炎症を防ぐために必要であることが分かった。肥満マウスに低分子PPARγアゴニストを投与すると、TH17病理の発症が制限され、抗TH2生物学的標的療法に対する治療応答性が解き放たれた。これらの結果は、肥満症が免疫疾患に及ぼす影響を明らかにするとともに、肥満症によって生じる免疫調節異常を標的とするプレシジョン・メディシンの手段を示唆している。

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