エネルギー科学:酸化インジウム相互接続を用いたペロブスカイト–有機タンデム型太陽電池
Nature 604, 7905 doi: 10.1038/s41586-022-04455-0
多接合型太陽電池は、単接合型太陽電池の基本的な効率限界を克服できる。金属ハロゲン化物ペロブスカイト太陽電池は、バンドギャップが調整可能なため、多接合構造に魅力的である。これまでに、シリコンやセレン化銅インジウムガリウム(CIGS)との組み合わせのみならず、全ペロブスカイトタンデム型太陽電池が報告されている。一方、狭バンドギャップ非フラーレンアクセプターによって、有機太陽電池の効率が飛躍的に向上している。有機半導体とペロブスカイト半導体は、よく似た製造技術を共有する魅力的な組み合わせである。現在、ペロブスカイト–有機タンデム型太陽電池の効率は基準より低く、広バンドギャップペロブスカイトセルの低い開路電圧(Voc)と、サブセル間の相互接続で導入される損失によって制限されている。今回我々は、効率が24.0%(認証効率23.1%)で、Vocが2.15 Vと高いペロブスカイト–有機タンデム型太陽電池を実証する。最適化された電荷抽出層によって、高いVocと曲線因子を併せ持つ優れたペロブスカイトサブセルが得られた。この有機サブセルは、近赤外領域で高い外部量子効率をもたらすとともに、非フラーレン系太陽電池で例証されている光安定性の限界に関する懸念とは対照的に、励起子が主に非フラーレンアクセプターで生成される場合に優れた動作安定性を示す。今回のタンデム型太陽電池は、その事例である。サブセルは、極薄(約1.5 nm)の金属状酸化インジウム層で接続されており、その光学的/電気的損失はこれまでになく低い。今回の成果は、最良のp–i–nペロブスカイト単接合型太陽電池を凌駕し、ペロブスカイト–CIGS多接合型太陽電池や全ペロブスカイト多接合型太陽電池に匹敵するペロブスカイト–有機タンデム型太陽電池に向けた大きな節目である。

