Article

天文学:宇宙の夜明けで銀河とクエーサーを橋渡しする、塵に富むコンパクト天体

Nature 604, 7905 doi: 10.1038/s41586-022-04454-1

明るいクエーサーがビッグバンのわずか7億年後に存在することが発見されて以来、超巨大ブラックホールが初期宇宙でどのように形成され、成長したかを理解することが大きな課題となっている。シミュレーションによって、塵に深く覆い隠されたスターバースト銀河から塵によって赤化したクエーサーが生じ、それがその後、ガスや塵を吹き飛ばして、塵に隠されていない明るいクエーサーへと遷移することが示されている。最後の段階は赤方偏移7.6まで確認されているものの、遷移中のクエーサーは、可視と近赤外の波長で暗いために、同時代の赤方偏移ではまだ発見されていない。本論文では、赤方偏移7.1899 ± 0.0005に位置する塵に覆い隠されたスターバースト銀河に紐づく、紫外線コンパクト天体GNz7qを観測したことについて報告する。母銀河は、この時代に知られているどの天体よりも塵からの放射で明るく、中心部の480 pcの半径内で1年当たり太陽の1600倍の質量分の星を形成している。その内部で、遠紫外線で赤く見える点源が、深い高分解能撮像とスリットレス分光で同定された。GNz7qはX線で極端に暗く、これは、紫外線放射が他に類を見ないほどコンパクトな星形成領域か、塵に富むスターバースト銀河のコアにおける、コンプトン散乱に対して光学的に厚い、超エディントン降着率を持ったブラックホールの降着円盤であることを示している。後者の場合、観測された特徴は、宇宙論的シミュレーションからの予測と矛盾せず、GNz7qが、その後の時代に出現する塵に隠されていない明るいクエーサーの先駆体であることを示唆している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度