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神経科学:ヒトの脳血管系の単一細胞解析
Nature 603, 7903 doi: 10.1038/s41586-022-04521-7
脳血管系は、脳の正常な生理機能の維持において、また、神経変性や中枢神経系への薬剤送達を理解する上で重要であるにもかかわらず、ヒトの脳血管系細胞はまばらに分散して存在するため特徴がほとんど明らかになっていない。今回我々は、ex vivoの新鮮組織細胞の実験的濃縮と、ヒトの死後皮質組織試料のin silicoソーティングの両方を用いて、ヒトの脳血管系の単一細胞特性解析を行った。我々は、内皮細胞、壁細胞、血管構造に沿った血管周囲繊維芽細胞の3つの異なるサブタイプなど、計11のサブタイプにわたる1万6681の脳血管系細胞の核を捕らえた。解析の結果、動静脈軸に沿ったヒト特異的な発現パターンが明らかになり、これまで特徴が明らかになっていなかった細胞タイプ特異的なマーカーが決定された。これらのヒト特異的なシグネチャーを用いて、ハンチントン病患者の3945個の脳血管系細胞の変化を調べたところ、血管およびグリアの細胞タイプにおける自然免疫シグナル伝達の活性化と、それに付随した、血液脳関門の完全性の維持に重要なタンパク質レベルの低下が明らかになった。まとめると我々の研究は、今後の生物学研究および治療研究のガイドとなるヒト脳血管系の包括的な分子アトラスを提供するものである。

