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社会科学:機械学習と携帯電話データは人道援助の対象者設定を改善し得る

Nature 603, 7903 doi: 10.1038/s41586-022-04484-9

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)は、多くの低・中所得国に深刻な打撃を与え、広範な食料不足と生活水準の急激な低下を引き起こしている。こうした危機への対応として、世界各国の政府や人道支援組織はこれまでに15億人以上の人々に対して社会的支援を提供してきた。これらのプログラムを実施する上で中心となる課題は対象者の設定であり、現在の利用可能なデータからすると、支援を最も必要としている人々を迅速に特定することは依然として困難である。今回我々は、携帯電話ネットワークから得られるデータが、人道支援の対象者設定を改善できることを示す。我々の手法は、従来の調査データを用いて、機械学習アルゴリズムを携帯電話データ中に貧困のパターンを見いだすよう訓練するというもので、訓練済みのアルゴリズムは、最も貧しい携帯電話契約者への支援を優先できるようになる。我々は、トーゴ共和国で実施された、これらのアルゴリズムを用いて数百万ドル相当のCOVID-19支援金を分配するという旗艦的な緊急送金プログラムを調べることで、この方法を評価した。この解析では、異なる複数の対象者設定システムにおいて、除外エラー(貧困者が誤って対象から除外されること)、全体的な社会福祉、公平性指標などの結果を比較した。その結果、機械学習による手法では、トーゴ政府が検討していた地理的な対象者設定の選択肢と比較して、除外エラーが4~21%減少することが分かった。一方、総合的な社会登録簿を必要とする方法と比較すると(仮定的な条件設定であり、トーゴにはそのような社会登録制度は存在しない)、機械学習による手法では除外エラーが9~35%増加した。これらの結果は、人道支援の対象者設定において従来の手法を補完する新たなデータソースの可能性を浮き彫りにしており、これは特に、従来型のデータがない場合や古くて使えないような危機的状況において有望である。

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