Article
化学:2D動的共有結合ポリマーにおける重合の観察
Nature 603, 7903 doi: 10.1038/s41586-022-04409-6
結晶性の二次元(2D)ポリマーの質は、捉えることが困難な重合過程や結晶化過程と密接に関連している。そうした過程の機構を(サブ)分子レベルで理解することは、予測合成を改善したり、触媒反応や(オプト)エレクトロニクスなどへの応用に合わせて材料特性を調整したりするのに、極めて重要である。今回我々は、in situ走査型トンネル顕微鏡法を用いることで、モデル系であるボロキシン2D動的共有結合ポリマーの特性評価を行い、周囲条件下において実時間で核形成–伸長過程の定性的および定量的な詳細を明らかにした。逐次的データ解析によって、アモルファス(非晶質)から結晶への転移の観測、核の経時変化の観測、「非古典的」結晶化経路の存在の観測、そして重要なことに、臨界核サイズ、核形成速度、成長速度などの重要な結晶化パラメーターの非常に正確な実験的決定が可能になった。そうした実験データは、さらに原子論的コンピューターモデルによって合理的に説明され、総合すると、表面における動的重合過程の詳細な描像が得られた。さらに我々は、2D結晶成長が異常粒成長によってどのように影響され得るのかを示す。この知見によって、異常粒成長(金属系やセラミック系における典型的な現象)を用いた、有機2D材料系における多結晶構造から単結晶への変換が裏付けられる。

