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分子生物学:遺伝子を調節するDNAの進化と進化可能性と操作

Nature 603, 7901 doi: 10.1038/s41586-022-04506-6

非コード調節DNA配列の変異は、遺伝子発現、生物の表現型、生物の適応度を変化させる場合がある。DNAの塩基配列が適応度にマッピングされた完全な適応度景観を構築することは、生物学における長年の目標だが、広大な配列空間へ確実に一般化するのが困難なため、いまだ実現されていない。今回我々は、適応度景観を捉えた塩基配列–遺伝子発現対応モデル(sequence-to-expression model)を構築し、それを遺伝子調節の進化の原理を解明するのに用いた。我々は、酵母(Saccharomyces cerevisiae)で、ランダムに抽出された数百万個のプロモーターDNA配列と、それらの発現レベルの測定値を用いて、優れた予測性能で一般化を行うディープニューラルネットワークモデルの学習を行い、発現を操作するための塩基配列設計を可能にした。今回のモデルを用いて、遺伝的浮動および強選択弱変異(strong-selection weak-mutation;SSWM)系における発現の分散を調べた結果、遺伝子調節の進化が急速であり収穫逓減的なエピスタシスに従うこと、異なる環境での相反する発現目標が発現の適応を制約すること、そして、遺伝子発現にかかる安定化選択が遺伝子調節の複雑さの緩和につながることが明らかになった。我々は、こうしたモデルを用いて調節配列の自然な変動から発現にかかる選択のシグネチャーを検出するための手法を示し、それを使って遺伝子調節の収斂進化の一例を発見した。また、変異のロバスト性を評価して遺伝子調節の変異の効果量がべき乗則に従うことを見いだし、遺伝子調節の進化可能性の特徴を明らかにするとともに、プロモーターの適応度景観を可視化し、進化可能性の典型を発見して、天然の調節配列集団に見られる変異のロバスト性を説明した。本研究は、調節配列を設計し、遺伝子調節の進化に関する基本的な問題に取り組むための一般的な枠組みを提供するものである。

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