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分子生物学:DNA修復ATPアーゼパラログMutSによる細菌リボソーム衝突の感知

Nature 603, 7901 doi: 10.1038/s41586-022-04487-6

翻訳の間に起こるリボソーム停止は細胞の適応度にとって有害だが、停止を感知し、リボソームサブユニットの再利用を促し、関連するmRNAと未完成の新生鎖の品質管理を行う仕組みは、ほとんど解明されていない。枯草菌(Bacillus subtilis)のMutS2は、保存されたATPアーゼMutSファミリーのメンバーで、DNAミスマッチ修復系で機能する。今回我々は、MutS2が意外にもリボソーム結合タンパク質であって、翻訳の品質管理に極めて重要な役割を果たすことを明らかにする。アフィニティー精製した天然複合体のクライオ電子顕微鏡解析により、MutS2が停止したリボソームと翻訳中のリボソームとの衝突を感知する働きをしていることが明らかになり、リボソームの衝突が下流の複数の過程を展開する土台として機能できるようになる仕組みが示唆された。すなわち、MutS2はRNAエンドヌクレアーゼであるSMR(small MutS-related)ドメインだけでなく、リボソームサブユニットの解離促進に適した位置にATPアーゼ/クランプドメインも持っている。リボソームサブユニットの解離は、リボソームの再利用とリボソームに関連したタンパク質品質管理(RQC)開始の両方に必要とされる。従って、MutS2はアラニン尾部デグロンによる新生鎖の修飾(RQCの初期段階)を、ATPアーゼドメインに依存して促進することになる。これらの観察結果の妥当性は、細菌門全体にわたってMutS2遺伝子とRQC遺伝子が強く関連して共在することを示す証拠によってさらに裏付けられる。まとめると今回の知見は、オープンリーディングフレーム内での翻訳の中断に対する複雑な応答を行う際に、リボソームの衝突が非常によく保存された役割を果たしていることを明らかにしている。

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