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免疫学:グリカンを介したB細胞抑制による胎仔–母体免疫寛容の確立
Nature 603, 7901 doi: 10.1038/s41586-022-04471-0
自己と非自己の区別は、広範な免疫学的過程の基礎である。妊娠中に母体が胎盤を免疫学的な異物として認識しないのは、母体の免疫系と接触する胎盤細胞である栄養膜によって発現される抗原が、母体のT細胞を活性化しないためである。これまでのところ、このような活性化が起こらないのは、制御性T細胞による抑制を反映したものだと考えられている。対照的に、栄養膜抗原に対するB細胞寛容機構は明らかにされていない。今回我々は、マウスにおいて、グリカンを介したB細胞の抑制が胎仔–母体免疫寛容の確立に主要な役割を担っていることを示す証拠を提示する。モデル栄養膜抗原に特異的なB細胞は、CD22–LYN抑制性シグナル伝達を介して強く抑制され、これは、抗原のシアル化グリカンが主要な抑制決定要素であることを示唆している。さらにB細胞は、CD4+ T細胞に対するMHCクラスII限定的な抗原提示を仲介してT細胞抑制を引き起こし、マウスとヒトで妊娠中に、栄養膜由来のシアロ糖タンパク質が母体の循環血中に放出される。タンパク質のグリコシル化が、胎盤を非免疫原性の自己だと認識するよう促す仕組みは、免疫を介した妊娠合併症や腫瘍の免疫回避と関連している可能性がある。我々はまた、本研究の知見が、グリカンの生物学的特性を利用して、自己免疫疾患における抗原特異的免疫応答を制御する取り組みを後押しすることを期待している。

