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化学:キナーゼ-cGASカスケードによる治療用STING活性化剤の合成
Nature 603, 7901 doi: 10.1038/s41586-022-04422-9
分子の複雑さを原子効率的かつステップ効率的な様式で導入することは、依然として現代合成化学における未達成の目標である。人工生合成経路において、酵素を用いて複数の合成ステップを同時にもしくはワンポット逐次的に実施することによって、この課題への独特な取り組みが可能になる。生合成をex vivoで行うことで、細胞代謝とのクロストークが回避されるとともに、非天然型補因子や合成試薬の使用を通して主要な生合成経路の再設計が可能になるため、応用可能性がさらに広がる。今回我々は、免疫腫瘍学的治療薬として臨床試験中(ClinicalTrials.gov study NCT04220866)の非常に強力なSTING(stimulator of interferon genes)活性化剤であるMK-1454を生成する、酵素カスケードの発見と構築について報告する。2つの非天然型モノチオリン酸ヌクレオチドから、MK-1454がワンポットカスケードでジアステレオ選択的に合成され、このカスケードでは、2つのチオ三リン酸ヌクレオチドが生体触媒的に同時に生成された後、改変された動物のサイクリックグアノシン-アデノシン・シンターゼ(cGAS)によって触媒されるカップリングと環化が起こる。このチオ三リン酸エステル合成のために、3つのキナーゼ酵素を改変して、1つのチオ三リン酸エステルがそれ自体の合成において補因子として働く非天然型補因子再生系が開発された。今回の研究結果は、生合成的アプローチを用いて非天然型複雑分子を発見・合成する現存の実質的な能力を実証している。

