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物性物理学:グラフェンのジョセフソン接合における定常的なフロケ–アンドレーエフ状態
Nature 603, 7901 doi: 10.1038/s41586-021-04364-8
光と物質の相互作用による量子状態の操作は、物性物理学に1つのパラダイムをもたらした。その代表例が、結晶におけるブロッホ波動関数を時間周期的に駆動することによって生じるフロケ–ブロッホ状態である。凝縮物質系においてそうした状態を実現させるこれまでの試みは、光パルスによって生じるフロケ状態が過渡的であることによって制限されており、この過渡性によって非平衡物理学の普遍的特性が覆い隠される。今回我々は、連続マイクロ波を印加することによってグラフェンのジョセフソン接合に定常的なフロケ–アンドレーエフ状態を生成し、超伝導トンネル分光法でそのスペクトルを直接測定したことを報告する。我々は、超伝導体の位相差、温度、マイクロ波の周波数、出力を変化させながら、フロケ–アンドレーエフ状態のスペクトル特性を定量的に解析した結果を提示する。位相差に伴うフロケ–アンドレーエフ状態のスペクトルの振動は、我々の理論計算の結果と一致した。さらに我々は、トンネル伝導度の総和則を証明することによってフロケ–アンドレーエフ状態の定常性を確認し、フロケ相互作用の強さに応じたフロケ状態のスペクトル密度を解析した。今回の研究結果から、ナノデバイスにおける非平衡量子状態の理解と操作のための基盤が得られる。

