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工学:電池不要なワイヤレスデバイスの風散布
Nature 603, 7901 doi: 10.1038/s41586-021-04363-9
植物は、大半の種が移動できないにもかかわらず、地球上の陸地の大部分を覆っている。多くの植物が、その繁殖体を運ぶために風を用いて種子を拡散させる機構を進化させてきた。例えば、タンポポの種子には剛毛質の繊維構造があり、これが終端速度を低下させて、種子が地上に向かって漂う際に向きを決めるのに役立っている。今回我々は、これに着想を得て、電池不要なワイヤレスセンシングデバイスの風散布を実証する。我々のミリメートルスケールのデバイスは、重さが30 mgで、プログラム可能な既製部品を用いて柔軟な基板上に設計されており、さまざまなセンシング用途や計算用途向けに拡張性と柔軟性がある。このシステムは、軽量の太陽電池と、光量が少なかったり変動したりする条件でも安定した環境発電回路を用いて電力が供給され、データ伝送を可能にする後方散乱通信リンクを備えている。我々は、広域散布と、太陽光発電に必要な直立着地を実現するために、タンポポから着想を得た薄膜空隙構造を開発し、0.87 ± 0.02 m s−1という終端速度と、直立着地の確率が95%以上の空気力学的安定性を達成した。屋外環境での実験の結果、これらのデバイスが、軟風から和風で50~100 m移動できることが実証された。さらに、自然系では個々の種子の形態のばらつきのため、近くに落ちる種子もあれば遠くに移動する種子もある。我々は同様の手法を採用し、構造の空隙率や直径を調節することでデバイス間での風散布のばらつきを実現できる方法を示す。

