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神経科学:1つの離散的なニューロン集団が脳全体の発生関連活動を調整する
Nature 602, 7898 doi: 10.1038/s41586-022-04406-9
脊椎動物では、脳の発生期間を通して、刺激に依存しない活動が神経回路の成熟に伴っている。最近、発生中のショウジョウバエ(Drosophila)の中枢神経系でも同様の活動が見つかったことで、発生に関わる活動が複雑な脳の構築の基盤であることが示唆されている。こうした活動が、異なる脳領域間でどのように調整され、特定の細胞タイプレベルでシナプス発生に影響を及ぼしているのかは、まだよく分かっていない。今回我々は、陽イオンチャネルのTrpγ(transient receptor potential γ)を発現するニューロンが、ショウジョウバエの脳全体にわたって発生関連活動を伝達し、パターンを形成することを示す。trpγ変異体では、活動は全体的に減衰しており、活動パターンとシナプス構造は共に細胞タイプ特異的な様式で変化していた。脳でTrpγを発現しているニューロンは2%未満で、これらのニューロンは脳全体に樹枝状に広がっており、それらの活動の抑制または活性化は、それぞれ脳全体の活動の喪失または獲得につながった。まとめるとこれらの結果は、この小さなニューロン集団が、脳全体の発生関連活動を調整していることを示している。我々は、発生関連活動の定型的なパターンは、遺伝的に規定される離散的なネットワークによって駆動され、個々の細胞やシナプスのレベルで神経回路の構築を指示していると提案する。今回の研究は、ハエ脳が、神経活動がシナプスや回路の形成にどのように寄与するかを研究するための、実験的に扱いやすい系であることを確立している。

