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気候科学:1970年以降の観測された極向きの淡水輸送

Nature 602, 7898 doi: 10.1038/s41586-021-04370-w

温暖化によって生じる全球水循環の変化は、地球の生態系や人間社会に大きな課題をもたらしている。しかし、過去の水循環の変化の定量化は、特に全球の降水の77%と蒸発の85%が生じている海洋においては直接観測が不足しているため困難である。淡水の大気–海洋フラックスは海洋の塩分濃度に痕跡を残しており、平均塩分濃度は海洋の最も温度の高い部分と低い部分で最も低く、その中間の温度では最も高くなっている。今回我々は、1970〜2014年の地球システムにおいて、海洋の温度および塩分濃度が高い部分の塩分濃度の傾向を追跡し、観測された正味の極向き淡水輸送を定量化した。この期間を通して、海洋の温度の高い領域から低い領域への極向きの淡水輸送が、34~62ミリスベルドラップ(mSv = 103 m3 s−1)の速さで生じており、この速度は現世代の気候モデル[結合モデル相互比較プロジェクトフェーズ6(CMIP6)]では再現されていない。CMIP6モデルでは、海洋の温度の高い領域における表層の淡水フラックスの増大は、海洋の淡水量のほぼ等しい変化をもたらしており、海洋の混合や循環の影響をほとんど受けない。こうした過程の分割が現実の世界に当てはまるとすれば、その影響として、CMIP6では過去の表層フラックスの増幅が観測値(3.0~7.4%)と比較して弱くなる(0.3~4.6%)。今回の結果は、過去の極向きの淡水輸送に対する制約条件を確立するものであり、これは気候モデルの偏りに対処するのに役立つだろう。

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