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植物科学:成長損失を伴わないコムギのゲノム編集うどんこ病抵抗性

Nature 602, 7897 doi: 10.1038/s41586-022-04395-9

作物の感受性(S)遺伝子の破壊は、病害抵抗性を付与するための魅力的な育種戦略である。しかし、S遺伝子は多くの必須な生物学的機能に関与しており、これらの遺伝子の欠失は通常、望ましくない多面的効果につながる。そうしたS遺伝子の1つであるMLOMildew resistance locus O)の機能喪失変異は、さまざまな植物種でうどんこ病に対する持続性の広域抵抗性をもたらす。しかし、mloに関連する抵抗性は成長および収量の損失を伴うため、農業での幅広い使用が進んでいない。今回我々は、コムギのMLO-B1座位で304キロ塩基対を選択的に欠失させた変異体Tamlo-R32が、作物の成長および収量を維持しながら、うどんこ病に対してロバストな抵抗性を示すことを報告する。我々は、この欠失がクロマチンの局所的景観の変化につながり、これがTaTMT3BTonoplast monosaccharide transporter 3)の異所的活性化をもたらすこと、そして、この活性化がMLOの破壊に伴う成長と収量の損失を緩和することを明らかにした。注目すべきことに、TMT3の機能は、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)など他の植物種でも保存されている。さらに、精密なゲノム編集によって、このmlo抵抗性対立遺伝子(Tamlo-R32)のコムギのエリート品種への迅速な導入が促進された。本研究は、複数の遺伝的変化を積み重ねて劣性(潜性)対立遺伝子によって引き起こされる成長異常を救済できることを実証しており、これは、ロバストで持続的な病害抵抗性を有する高収量作物品種の開発に極めて重要である。

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