環境科学:温暖化が全球の火事に対する夜間のバリアーを弱める
Nature 602, 7897 doi: 10.1038/s41586-021-04325-1
夜間は、気温が低く飽差(VPD)も低いため、火事を遅らせたり消火したりするのに重要な時間帯である。しかし、火事の危険性は日中の条件に基づいて評価されることが多く、そうした評価では、延焼を妨げるものではなく促進するものが捉えられている。日中の気象条件の変化が火事を悪化させていることはよく分かっているが、夜間の気象条件の潜在的変化とそれらに伴う火事軽減の役割は、あまり分かっていない。今回我々は、夜間の火事の強度が増大しており、それが、より暑くより乾燥した夜間と関連していることを示す。今回の知見は、日中と夜間の火事の検知に関する全球の人工衛星観測結果と、それに対応する1時間ごとの気候データに基づいている。我々は、そうしたデータから、その値以下での火事の検出は非常にまれ(モデル化した確率が95%未満)であるという、土地被覆に特有のVPDのしきい値(VPDt)を決定した。全球的に、1日の最小VPDは1979〜 2020年に25%増加していた。火事が起こる可能性がある土地全体では、VPDがVPDtを超える、火災が起こりやすい夜間の時間が年間110時間増加し、火事の可能性がなくならない夜が5日増えていた。火事が起こる可能性がある土地の約5分の1にわたって、この期間に火事が起こりやすい夜間の時間が少なくとも1週間増えていた。人工衛星記録を用いて評価したところ、夜間の火事の強度は全球的に2003〜2020年で7.2%増大したことが分かった。これらの結果は、夜間に火事が軽減されないという、近年の山火事抑制チームの経験を補強するものである。我々は、人為起源の気候変動による夜間の継続的な温暖化によって、より激しくより長くより大きな火事が増えると予想する。

