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神経科学:自閉症関連遺伝子は共通したニューロンクラスの非同期発生に収斂する

Nature 602, 7896 doi: 10.1038/s41586-021-04358-6

自閉症スぺクトラム障害(ASD)の遺伝的リスクは、広範な生物学的機能を持つ数百の遺伝子と関連付けられている。しかし、これらの遺伝子の変異によって起こるヒト脳の変化については明らかになっていない。加えて、そうした遺伝子の表現型の発現には個体間でばらつきがある。今回我々は、ヒト大脳皮質のオルガノイドモデルを用いて、異なるドナーに由来する複数の細胞株で、3つのASDリスク遺伝子[SUV420H1(別名KMT5B)、ARID1BCHD8]のハプロ不全に起因する、細胞タイプ特異的な発生異常を突き止めた。そして、74万5000個以上の細胞の単一細胞RNA塩基配列解読(scRNA-seq)と個々のオルガノイドのプロテオミクス解析を行い、表現型の収斂を特定した。これら3つの変異はいずれも、2つの主要な皮質ニューロン系譜[γアミノ酢酸を放出する(GABA作動性)ニューロンと皮質深層の興奮性投射ニューロン]の非同期発生をもたらすが、その作用は大部分が別々の分子経路を介していた。これらの表現型は異なる細胞株の間で違いはなかったが、表現度は、リスク遺伝子および発生異常の両方に依存する様式で、個々のゲノムの状況に左右されていた。無傷のオルガノイドのカルシウム画像化から、これらの初期段階の発生変化に続いて、異常な回路活動が表れることが示された。今回の研究によって、異なるASDリスク遺伝子間で共通し、ヒトゲノムの状況によって細かく調整されている、細胞タイプ特異的な神経発生異常が明らかになり、これによって、異なるリスク遺伝子がASDの病態にどのように寄与するかについての神経生物学的な基盤に、収斂があることが見いだされた。

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