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免疫学:広域中和抗体は赤血球凝集素の係留部エピトープを標的とする
Nature 602, 7896 doi: 10.1038/s41586-021-04356-8
インフルエンザウイルスの赤血球凝集素のエピトープを標的とする広域中和抗体は、インフルエンザウイルス感染に対してほぼ普遍的な防御を提供する可能性がある。しかし、広域中和抗体を回避するウイルス変異株も複数報告されている。回避を起こすウイルス変異株を中和できる広域中和抗体クラスを特定することは、普遍的なインフルエンザウイルスワクチンを設計する上で重要である。今回我々は、赤血球凝集素のストークドメインの膜近位の特定の係留部エピトープを標的とする、異なるクラスの広域中和抗体を報告する。係留部エピトープを標的とする抗体は、異なるH1ウイルスを広く中和し、パンデミック(世界的大流行)の脅威であるH2およびH5のウイルスと交差反応できた。この係留部エピトープを標的とする抗体は、高度に制限された遺伝子レパートリーを利用していて、これは赤血球凝集素の融合ペプチド領域の保存された残基と広範囲に接触する2つのパブリック結合モチーフをコードしている。さらに、係留部エピトープを標的とするB細胞は、ヒト記憶B細胞レパートリーに多く見られ、ヒトでは水中油滴型アジュバントを用いたキメラ赤血球凝集素ワクチンによってリコール応答を起こすことから、このワクチンは普遍的なインフルエンザウイルスワクチンになる可能性がある。季節性およびパンデミックのインフルエンザウイルスに対する防御を最大にするためには、ワクチンは、ヒトの記憶B細胞プールに広く見られる、広域中和抗体のこうしたこれまで利用されていなかった供給源の増強を目的にすべきである。

