Article

生化学:B12依存性ラジカルSAMメチルトランスフェラーゼの結晶構造のスナップショット

Nature 602, 7896 doi: 10.1038/s41586-021-04355-9

メチル補酵素M還元酵素は、微生物によるメタン生成を触媒することによって、温室効果ガスであるメタンの全球レベルに中心的な役割を果たしている。メチル補酵素M還元酵素は、複数の独特な翻訳後修飾によってその活性が大きな影響を受ける。そういった修飾の1つに、ラジカルS-アデノシル-L-メチオニン(SAM)酵素であるメタン生成マーカータンパク質10(Mmp10)が触媒する、独特なCメチル化反応がある。今回我々は、メタン生成アーキアであるMethanosarcina acetivorans由来の独特なB12(コバラミン)依存性ラジカルSAM酵素について分光学的に調べ、原子レベルの分解能で構造を明らかにした。得られたMmp10の構造から、4個の金属中心と触媒作用の調節に関係する重要な構造特性を持つ独特な酵素構造が明らかになった。さらに、酵素–基質複合体の構造から、B12依存性ラジカルSAM酵素の触媒反応前の状態をうかがい見ることができた。今回の研究では、電子常磁性共鳴分光法と構造生物学、生化学を組み合わせることにより、B12依存性ラジカルSAM酵素の最近知られるようになったスーパーファミリーが化学的に難しいアルキル化反応を触媒する機構が明らかになり、ラジカル反応と求核反応という2種類の化学反応で共にSAM補因子が使われることの構造的根拠となる独特な活性部位再編成が判明した。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度