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進化学:系統ゲノミクスのデータを統合した哺乳類進化の種レベルのタイムライン
Nature 602, 7896 doi: 10.1038/s41586-021-04341-1
複数のハイスループットの塩基配列解読プロジェクトによって、種レベルの系統発生に関するゲノム規模の塩基配列データが得られている。しかし、時間系統樹を推測するための最先端のベイズ法は、計算コストのために小規模なデータセットに適用が限定されており、増加し続ける入手可能なゲノムを利用できずにいる。哺乳類の場合、限られたデータセットの分子時計解析からは、クレード年代について相反する極めて不確かな推定結果が得られており、有胎盤哺乳類の進化の時間スケールに関する論争はいまだ決着が付いていない。今回我々は、ベイズ分子時計年代推定の手法を開発し、72例の哺乳類ゲノムから得た情報を統合して哺乳類4705種の時間系統樹を推定した。我々は、系統ゲノミクスのデータセットが大きくなると、得られる多様化年代の推定値の不確かさが漸進的に小さくなり、大進化仮説の厳密な検証に役立つことを示す。例えば、我々の推定結果によって、有胎盤哺乳類の起源が古第三紀にあるとする爆発的放散モデルは明確に棄却され、クラウン群有胎盤類の起源は後期白亜紀にあり、その後、暁新世/始新世に目レベルの明白な多様化が起きたことが示された。我々のベイズ法は、完全なゲノムと数千の種を統合的枠組み内で解析することを促すものであり、これによって、これまで解決が困難だった種の多様化に関する研究課題への取り組みが可能になる。この手法は、種レベルの系統ゲノミクスデータセットの解析を要する、動植物の多様化に関する他の未決着問題にも使用できる。

