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構造生物学:PINK1の活性化機構
Nature 602, 7896 doi: 10.1038/s41586-021-04340-2
プロテインキナーゼPINK1の変異は、マイトファジーの欠陥につながり、常染色体劣性(潜性)遺伝性の若年性パーキンソン病の原因となる。PINK1は多くの独特な特性を備えていて、それらによってユビキチンやパーキンのユビキチン様ドメインのリン酸化が可能となっている。ユビキチンを保有している、あるいは保有していない多様な昆虫種に由来するPINK1の構造学的解析から、異なる構造状態のスナップショットが得られているが、PINK1が活性化される機構についての説明はまだなされていない。今回我々は、結晶学の手法とクライオ電子顕微鏡法を用いて、PINK1の活性化機構を明らかにした。コロモジラミ(Pediculus humanus corporis;Ph)のリン酸化されていないPINK1の結晶構造から、N末端ヘリックスが解像され、リン酸化されていないが活性状態のPINK1のミトコンドリア上での配置方向が明らかになった。我々はさらに、トランス自己リン酸化過程中に捕捉された対称的なPhPINK1二量体と、活性なユビキチンキナーゼ状態へのコンホメーション変化の過程にあるリン酸化されたPhPINK1のクライオ電子顕微鏡構造を示す。構造とリン酸化の研究から、調節性のPINK1酸化の役割が明らかになった。まとめると我々の研究から、PINK1の完全な活性化機構が描き出され、PINK1がミトコンドリア外膜と相互作用する仕組みと、PINK1の活性がミトコンドリア活性酸素種により調節されている機構の候補が示された。

