Article
材料科学:反強磁性体の内在磁場の実空間可視化
Nature 602, 7896 doi: 10.1038/s41586-021-04254-z
原子レベルに至る磁気構造の特性評価は、材料やデバイスにおけるナノスケール磁性の設計と制御の要である。しかし、そうしたスケールでの磁場の実空間可視化は、これまで極めて困難だった。近年、原子分解能の微分位相コントラスト走査型透過電子顕微鏡法(DPC STEM)によって、単一原子内部であっても電場分布を直接結像することが可能になった。今回我々は、磁場フリー環境において原子分解能DPC STEMを用いて、反強磁性ヘマタイト(α-Fe2O3)内部の磁場分布を実空間で可視化したことを示す。原子電場に起因する位相シフト成分を除去し、単位胞平均化によって信号対雑音比を向上させることで、α-Fe2O3の内在磁場の実空間可視化が実現された。今回の結果は、多くの磁気構造の実空間評価への新たな可能性を開くものである。

