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生物物理学:超小型甲虫の飛行性能を高める斬新な飛行様式と軽量の翅

Nature 602, 7895 doi: 10.1038/s41586-021-04303-7

動物の飛行速度は体サイズと正に相関している。しかし、微小な羽毛甲虫は、サイズが3倍の昆虫と同じ速度および加速度で飛行することができる。今回我々は、この性能が、翅の軽量化と、これまで知られていなかった種類の羽ばたき周期によるものであることを明らかにする。我々は、最小級の昆虫である甲虫Paratuposa placentis(体長395 μm)について、形態と運動の三次元モデルを構築して組み合わせ、実験を行った。その結果、羽ばたき運動を行う羽毛状の翅が明瞭な8の字型のループを描き、それが、ほぼ垂直な打ち下ろし・打ち上げ動作と、その後に続く動作反転時の胴体の上下での翅の打ち合わせからなることが分かった。鞘翅は慣性ブレーキとして働き、これによって胴体の過剰な振動が抑制される。コンピューター解析からは、この羽ばたき周期が、大きな上向きの力を生む2つの作用ハーフストローク(power half stroke)と、下向きに引っ張る2つの復位ハーフストローク(recovery half stroke)に機能的に分解されることが示唆された。質量で上回る膜翅とは対照的に、サイズが同じ羽毛状の翅の運動は慣性力をほとんど必要としない。このため、筋肉の機械的な力の必要量は羽ばたき周期の全体を通して常に正であり、弾性エネルギーの貯蔵が不要となっている。こうした適応は、超小型昆虫の進化的成功の一因である小型化の過程で、優れた空中性能がどのように維持されてきたかを説明する一助となる。

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