Article

コロナウイルス:非修飾型mRNA COVID-19ワクチンのための非コード領域の最適化

Nature 601, 7893 doi: 10.1038/s41586-021-04231-6

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対するCVnCoV(キュアバック社)mRNAワクチンが最近、ヒトでの第IIb/III相の有効性試験で評価された。CV2CoVは第2世代のmRNAワクチンであり、非修飾型ヌクレオシドを含むが、非コード領域が最適化され、抗原の発現が増強されている。今回我々は、非ヒト霊長類において、CVnCoVとCV2CoVの免疫原性と防御効果を直接比較した結果を報告する。我々は、18匹のカニクイザルに脂質ナノ粒子で製剤化した12 μgのCVnCoVまたはCV2CoV、あるいは偽ワクチン(各グループ、n = 6)で2回免疫した。CV2CoVは、CVnCoVと比較して、デルタ変異株を含むSARS-CoV-2変異株に対して非常に高い力価の結合抗体や中和抗体、記憶B細胞応答およびT細胞応答、より強力な中和抗体応答を誘導した。加えて、CV2CoVは、カニクイザルにおいて、BNT162b2(ファイザー社)ワクチンに匹敵する免疫原性があることが明らかとなった。CVnCoVはSARS-CoV-2チャレンジに対して部分的な防御を示したが、CV2CoVは、よりロバストな防御を示し、上気道と下気道でのウイルス量を顕著に低下させた。また、結合抗体や中和抗体の力価は、防御効果と相関していた。これらのデータは、非コード領域の最適化によって、非ヒト霊長類において非修飾型mRNA SARS-CoV-2ワクチンの免疫原性や防御効果が大幅に改善可能であることを示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度