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植物科学:NLRは代謝を保護して、パターン誘導免疫とエフェクター誘導免疫を調整する

Nature 601, 7892 doi: 10.1038/s41586-021-04219-2

植物は、免疫応答を調整する防御代謝物の産生を活性化するパターン誘導免疫(PTI)とエフェクター誘導免疫(ETI)によって病原体に応答できる。しかし、防御代謝物の産生が免疫受容体によって促進され、広域スペクトル耐性と協調的に働く仕組みについては、まだ明らかにされていない。今回我々は、イネ(Oryza sativa)において、脱ユビキチン化酵素PICI1がPTIとETIの免疫ハブとして働くことを明らかにする。PICI1はメチオニンシンテターゼを脱ユビキチン化して安定化させ、主に植物ホルモンのエチレンの生合成を通じて、メチオニンを介した免疫を活性化する。PICI1は、AvrPi9をはじめとする、いもち病菌エフェクターによる分解の標的とされ、PTIを弱める。PigmRのような植物免疫系のNLR(nucleotide-binding domain, leucine-rich-repeat-containing receptor)は、エフェクターを介した分解からPICI1を保護し、メチオニン–エチレンカスケードを再起動する。PICI1遺伝子の自然変動は、イネ亜種のインディカ(indica)とジャポニカ(japonica)の間に見られる、いもち病に対する基礎的な耐性の相違に関与している。従って、NLRは、重要な防御代謝経路依存的にPTIとETIを同期させ、広域スペクトル耐性を保証する競合モードを用いて、エフェクターとの軍拡競争を支配している。

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