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ゲノミクス:空間的ゲノミクスによって可能になった、組織のクローン不均一性の多モード研究
Nature 601, 7891 doi: 10.1038/s41586-021-04217-4
細胞の状態や挙動は、遺伝的要因と環境要因の両方の影響を受ける可能性がある。特に、腫瘍のプログレッションは、基盤となる遺伝的異常に加え、腫瘍微小環境の構成によっても決定される。これらの要因の寄与を定量化するには、表現型の読み出しと共に、ゲノムの塩基配列の空間的位置を正確に測定できる新しい技術が必要である。今回我々は、無傷組織の切片から、空間分解されたDNA配列を捕捉する方法「slide-DNA-seq」を開発した。我々は、この方法によって、腫瘍の局所的な構造を正確に保持した状態で、腫瘍の異なるクローンやそのコピー数変化をde novoに発見できることを実証する。slide-DNA-seq法を転移マウスモデルとヒト原発がんに適用したところ、クローン集団が別個の空間領域に限定されていることが明らかになった。さらに、空間的トランスクリプトミクスとの統合により、クローン特異的な遺伝的異常、局所の腫瘍微小環境、あるいはその両方に関連する、異なる遺伝子セットが明らかになった。まとめると、この多モードの空間的ゲノミクスの手法は、細胞内因性および細胞外因性の要因が、遺伝子発現、タンパク質量、その他の細胞表現型に、どのように寄与するかを定量化するための汎用プラットフォームになる。

