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天文学:金属量下限値を下回る球状星団の残骸である恒星ストリーム

Nature 601, 7891 doi: 10.1038/s41586-021-04162-2

恒星の放出物は、その後に星を形成することになるガスを次第に濃縮するため、化学的に最も濃縮されていない恒星系は、初期宇宙に形成された構造の直接的な化石となる。銀河系では、金属含有量が太陽の鉄含有量の1000分の1を下回る星が数百個知られているが、最も古い恒星構造の1つである球状星団には、こうした恒星は見つかっていない。これらの球状星団は、太陽の金属量の少なくとも約0.2%の金属量([Fe/H] ≳ −2.7)を示す。この金属量の下限値は普遍的なものと考えられ、合体して我々が現在観測している銀河になった原始銀河が、単に現在まで残存するような星団を形成するほど質量が大きくなかったことが提唱されている。今回我々は、金属量が太陽の金属量の0.05%未満[[Fe/H] = −3.38 ± 0.06(統計誤差)± 0.20(系統誤差)]の恒星ストリームC-19を観測したことについて報告する。C-19における恒星の金属量の小さな分散と化学組成は、このストリームがこれまでに発見された中で最も金属量に乏しい球状星団の潮汐残骸であり、その金属量が、下限と考えられる値よりも著しく低いことを示している。これはすなわち、現在観測されているものよりも金属量がかなり少ない球状星団がかつては存在し、それらが星を銀河系ハローに供給したことを意味する。

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