Review

物性物理学:鉄プニクチドと鉄カルコゲニド:超伝導の新たなパラダイム

Nature 601, 7891 doi: 10.1038/s41586-021-04073-2

超伝導は、極低温に冷却された金属の大半において観測される、非常にありふれた現象である。そうした従来型超伝導体の普遍性と、それに伴う臨界温度の幅広さは、よく知られているバーディーン–クーパー–シュリーファー理論の観点から容易に理解できる。しかし、鉄系物質などの非従来型超伝導体が時折発見され、こうした超伝導の理解が予想外の形で拡大されたり否定されたりしている。鉄系超伝導体の場合、複数の原子軌道の存在によってさまざまな形で非従来型超伝導が生じることがあり、これが、同一の支配的な対形成機構を共有するギャップ構造の豊かな様相を生み出している。加えて、こうした物質からは、フント相互作用によって支配される異常金属状態、電子ネマチック性の制御と機構、磁気ゆらぎと量子臨界性の影響、相関状態におけるトポロジーの重要性に関する知見も得られている。鉄系超伝導体は、発見から13年の間に、新しい実験ツールや理論的手法を開発するための試験場であることが立証され、その両方が量子物質のより広い分野に大きな影響を与えている。

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