免疫学:ChAdOx1–BNT162b2の異種ワクチン接種の免疫原性と有効性
Nature 600, 7890 doi: 10.1038/s41586-021-04120-y
アストラゼネカ社のChAdOx1-S-nCoV-19ワクチンに対する重度の有害反応作用を受けて、ヨーロッパの複数の保健機関は、ChAdOx1-S-nCoV-19の初回投与を受けた55歳未満の人は、追加接種としてファイザー社のBNT162b2ワクチンの2回目投与を受けることを推奨した。しかし、このワクチン接種レジメンの有効性や免疫原性は正式には調べられていなかった。今回我々は、実社会での医療従事者(n = 1万3121)の観察研究において、ChAdOx1-S-nCoV-19とBNT162b2の異種の組み合わせは、BNT162b2とBNT162b2の同種の組み合わせよりも重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)感染に対する防御が優れていたことを示す。その根底にある機構を理解するために、我々は、おのおののワクチンの組み合わせによって得られる抗スパイク免疫の経時的調査を行った。どちらの組み合わせでも強力な抗スパイク抗体応答が誘導されたが、異種ワクチン接種者由来の血清は、SARS-CoV-2変異株の種類にかかわらず、より強力な中和活性を示した。この増強された中和能は、SARS-CoV-2受容体結合ドメインを認識する、クラススイッチした記憶B細胞や活性化された記憶B細胞の割合の増加と相関していた。初回投与後にChAdOx1-S-nCoV-19ワクチンが誘導するIgG応答はBNT162b2ワクチンの場合よりも弱いが、T細胞応答はより強く、これは、組み合わせて使用した際の両ワクチンの相補性を説明し得る。従って、異種ワクチン接種レジメンは、免疫が低下している人には特に適していると考えられる。

