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神経科学:接触に対する皮質応答はLTMR信号の皮質下での統合を反映する
Nature 600, 7890 doi: 10.1038/s41586-021-04094-x
皮膚の機械受容器から発せられる信号がどのように接触として表現されるかを説明する現在のモデルは、機械受容器のサブタイプと体性感覚皮質ニューロンの触覚応答の比較を基礎としている。今回我々は、マウスでの遺伝子操作を用いて、末梢機械受容器サブタイプの触覚に対する皮質応答への寄与を調べた。その結果、皮質ニューロンは皮膚の押し込みに対して非常に均一で一過性の応答を示し、こうした応答は速順応性(RA)の低閾値機械受容器(LTMR)の応答に似ていることが分かった。Aβ繊維のRA-LTMRと遅順応性(SA)-LTMRの信号を同時に遮断すると、軽い押し込み力に対する皮質応答は消失した。しかし、いずれか一方のLTMRサブタイプの遮断は、皮質感受性において逆の変化を引き起こす一方で触覚応答に大きな変化はなく、これは、両方のサブタイプが通常の皮質応答に寄与していることを示している。Aβ線維のRA-LTMRまたはSA-LTMRにおいて単一の活動電位を光遺伝学的に選択的に活性化すると、機械感受性皮質ニューロンの大半に低潜時応答が表れた。同様に、視床の体性感覚ニューロンの大半もまた、Aβ線維のRA-LTMRまたはSA-LTMRの活性化によって駆動された。これらの知見は、生理学的に異なる複数の機械受容器サブタイプからの信号が、皮質下の体性感覚系において広く統合・変換され、接触の皮質表現を生成しているとするモデルを支持している。

