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古生物学:初期ヒト族の移動運動の多様性を示すタンザニア・ラエトリの足跡証拠
Nature 600, 7889 doi: 10.1038/s41586-021-04187-7
1978年にタンザニアのラエトリ遺跡Gで発見され、年代が366万年前と推定された二足歩行の行跡は、ヒト系統の絶対的二足歩行を示す最古の明白な証拠として広く受け入れられている。その2年前に近隣の遺跡Aで発見された別の行跡は、部分的な発掘が行われてヒト族のものとされたが、クマ類のものとの奇妙な類似性から、古人類学界ではその重要性が等閑視され、これらの足跡の現場は忘れ去られていた。2019年、我々は遺跡Aの行跡の場所を探し出して発掘およびクリーニングを行い、3Dフォトグラメトリーとレーザースキャンを用いてデジタルアーカイブを作成した。本論文で我々は、この遺跡の足跡を、アメリカクロクマ(Ursus americanus)、チンパンジー(Pan troglodytes)、ヒトの足跡と比較し、この遺跡の足跡がクマ類よりもヒト族のものに似ていることを示す。実際、その狭い歩隔は、交差歩行を行う小型の二足歩行ヒト族という最初の解釈を裏付けている。一方で、遺跡Aの足跡において推定される足のプロポーション、歩調のパラメーター、3D形態は遺跡Gのものと容易に区別され、これは、ラエトリには、足や歩調の特徴が異なる少なくとも2種類のヒト族タクソンが共存していたことを示している。

