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環境科学:大気中の市販化学物質による全球規模のリスクを明らかにする
Nature 600, 7889 doi: 10.1038/s41586-021-04134-6
市販の化学物質は、世界中の都市部で広く使用されており、42億人の人々に潜在的な曝露リスクをもたらしている。有害な化学物質は、環境持続性、生物での蓄積、毒性に基づいて、ストックホルム条約などの国際的イニシアチブや国内イニシアチブの下で評価されることが多い。しかし、既存の規制の枠組みは、親化学物質の特性に関する知識に主に依存しており、大気中での化学物質の変換による生成物については最低限の考慮しかなされていない。これは、主に実験データの不足によるものであり、大気中化学物質の複雑な混合物における変換生成物の特定が、分析における大きな課題となっているためである。今回我々は、実験室実験と野外実験、疑わしい化学物質の先進スクリーニング技術、in silicoモデル化を組み合わせた新たな枠組みを開発して、大気中の化学反応を考慮しながら、大気中化学物質のリスクを評価した。この枠組みを、新たに懸念されている代表的な化学物質である有機リン系難燃剤に適用したところ、それらの変換生成物が18の巨大都市にわたって全球的に分布しており、世界の都市住民にこれまで認識されていなかった曝露リスクをもたらしていることが見いだされた。さらに重要なことに、個々の変換生成物は親化学物質より毒性が高く、持続性も最大で1桁高い可能性があるため、変換生成物の混合物に伴う全体的なリスクも親化学物質の難燃剤より高くなることが分かった。まとめると今回の結果は、市販化学物質のリスクを評価する際には、大気中の変換を考慮する必要があることを浮き彫りにしている。

