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地球科学:深部マントルのクリプトンが明らかにする地球初期の炭素質物質の集積
Nature 600, 7889 doi: 10.1038/s41586-021-04092-z
炭素、窒素、水が、いつ、どこから地球にもたらされたかを明らかにすることは、地球などの居住可能な惑星の起源の解明における基本的な目標である。しかし、地球への揮発性物質の輸送はまだ議論の的になっている。クリプトン同位体は、生成源間で同位体変動が大きいため、揮発性物質の輸送に関する知見を与えるが、広範な大気汚染が分析の取り組みを妨げていた。今回我々は、最も始原的なヘリウム、ネオン、タングステンの同位体組成を持つ、ガラパゴスプリュームとアイスランドプリュームのマントル深部から得られた、一連の全てのクリプトン同位体を提示する。86Krを除けば、このクリプトン同位体組成はコンドライトクリプトンと大気中クリプトンの混合物と類似している。これらの結果は、原始地球による炭素質物質の初期集積を示唆しており、大気中の希ガスを説明するものとして、流体力学的損失と深部マントルや浅部マントルからの脱ガスとのいかなる組み合わせの可能性も排除している。意外なことに、深部マントル生成源は、炭素質隕石の平均的組成と比べて中性子に富む86Krが少なく、これは、元素合成の異常を示唆している。炭素質隕石と比べて地球の中性子に富む同位体が相対的に枯渇していることは、さまざまな難揮発性元素で記録されているが、今回の観測結果は、揮発性元素でもそうした枯渇が生じていることを示唆している。この知見は、揮発性元素と難揮発性元素の集積が同時に起こり、クリプトンが、おそらく外太陽系の微惑星を含む2種類以上の物質からの、太陽のものではない揮発性物質の同時集積を記録したことを示している。

